CAR AND MACOONUpdated on Jul. 16th, 2002.
Mac歴よりも長い車趣味。筆者は小さい頃からの車好き。10数年の間に培われた“クルマ持論”をこのページで展開したり、筆者の目に止まった新車を写真でご紹介します。

Car Essay Vol. 2

Honda INSPIRE vs Nissan CEFIRO


 昨年の夏我が家は、クルマを買い換えることになった。1990年に我が家の愛車がY31セドリックになって以来、市販車の研究をし続けてきた筆者は、クルマ選びに一役買うことになった。

 両親は次の車にもミドルアッパー・ラグジュアリーセダンを求めていたので、選択肢は限られていた。筆者が雑誌で読んだところ良さそうなホンダ・インスパイアを一押ししていた。日産の人は、選択肢にホンダという別のブランドがあることを知り、焦って(?)セドリック、ローレル、セフィーロを勧めてきた。ところで近年の日産車のデザインは、筆者の琴線に触れない物が多くなってきている。とくに現行Y35セドリックのデザインは、論外だ。ローレルのデザインも、1990年当時から我が家ではあまり評判が良くなかった。

 最終的には、Honda INSPIRE or Nissan CEFIROという選択肢に絞られた。


INSPIRE Type S

INSPIRE
Courtesy of Honda Motor Co., Ltd.
 ホンダ・インスパイアは、Honda of America Manufacturingが生産する輸入車、FFセダン。アメリカではAcura TLとして発売されており(北米では、BMWを抜いてラグジュアリーセダン売り上げNo.1!)、日本ではSABER(セイバー)という兄弟車がある。INSPIREはCLIO店、SABERはそれ以外の販売チャンネルで取り扱っている(SABERは昔はVIGORっていったっけなぁ)。SABERではなくINSPIREの方を選んだ理由は、直感的にデザインが洗練されていると感じたことと、INSPIREのデザインがAcura TLに準じているからである。ラインアップは日本向けの2,500ccVTECエンジン搭載のINSPIREと、NSXと同血統の3,200ccVTECエンジン搭載(いずれもV6)のINSPIRE Type Sの2タイプがある。


CEFIRO Excimo

CEFIRO 25 Excimo G
Courtesy of Nissan Motor Co., Ltd.

 日産セフィーロは、ローレルから派生しマキシマに統合されたFFセダン。こちらは日本で生産されているが、北米でInfiniti I30と名乗る他、世界中で発売されている。ちなみに、マキシマは北米日産で健在で、セフィーロと同じシャーシに大胆なデザインが施されたボディを纏っている(本物を見てみたい!所有してもイイ)。居住性抜群の広さ、2,000ccリーンバーンエンジンと2,500cc直噴エンジン(いずれもV6)のラインアップがある。グレード別に計4種類だ。


INSPIREの「感動的な」試乗

 インスパイアは、3,200ccエンジン搭載のType Sに試乗した。

 まずインスパイアの試乗は、後席から始まった。第一印象、このレベルの低さがアメリカのラグジュアリーなのか?と思った。座面が小さくて、お尻だけがちょこんと乗っかるだけだ。アームレストも、セドリックで幾度となく体験したフカフカな物とはまるで違っていて、とても硬かった。ただ、ヘッドクリアランスやニールームは十分にあった。

 今度は運転してみた。カタログでインテリアをチェックしていたものの、実際に本物を目の当たりにするとずいぶんと印象が違う。まずスピードメータが、(セドリックより)低い位置にある。それに、Aピラー(窓枠)が座席から結構離れたところにある。ニールームが狭い。でも窮屈なほどではない。シートはバケットタイプではないが、スポーティで比較的硬く、体をしっかり支えてくれる。何だかドライバーズシートのバランスが今までに乗ったものと違いすぎて、感覚が取りにくい。これはメーカーの相違によるものなのか? 慣れないゲート式ATレバーをDに入れて家の前の坂で発進すると、4人フル乗車しているのにその重量を感じさせないほど軽く発進した。さすが、NSXと同系列のVTECエンジンを搭載した、Type S。セドリックでは発進時のクラッチの切りすぎが気になっていたのに、インスパイアは発進時からグイグイ引っ張ってくれた。エンジンの音がほとんどしない。そしてアクセルを離すと、クイっとエンジンブレーキがかかる。MTに近いフィーリングを再現したATに、さすがホンダと思わざるを得なかった。パワーステアリングは非常に軽い。鈴鹿サーキットへ行くのにレンタカーしたVitzでもそう思ったけど、最近のクルマってパワステがとても軽いらしい。

CEFIROの試乗

 セフィーロの試乗は、運転席に座ることができず、ナビゲーターズシートに座っていただけだ。何故なら、ショールームに試乗車の用意がなく、お得意さまの車をわざわざ日産の人が借りてきてくれたからだ。セフィーロの方は2,000ccのエクシモに試乗した。さっきのインスパイアと違って、座席が大きい。そんなことに安心感を感じたりして。日産の人にお願いして急加速をしてもらったりして、10年間分の日産車の進化をしっかり感じることができた。

 両車の試乗を終えると、両車とも一長一短。父と筆者は、数日悩んだ。

<つづく>

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