Formula 1 : GP DiaryUpdated on Oct. 20th, 2000.

第17戦 日本GP

 筆者はKaz氏と鈴鹿へ、F1グランプリを肌で感じに行ってきた。これについての詳細は、後日写真満載で掲載する。

予選

 土曜日の午前中のフリー走行は、バックストレートで見ていた。とくに挙動については、何もわからないくらいの速さで通過するマシンを、必死にデジカメで追って遊んでいた。

 筆者とKaz氏は、予選・決勝とスプーンカーブの一つ目で、観戦した。気温と路面は26度と場内放送があった。空は曇りがちながら、強い日差しが時折さしてくる。

 最初の10分以上は、誰も予選アタックをしなかった。とても、退屈な時間だった。最初に200Rの後ろ側の小高い丘の向こう(デグナー&ヘアピンあたり)からエンジン音が聞こえてきたマシンは、ベネトンのブルツのだった。スーパーテックのエンジン音は意外と大きかった(アロウズも)。

 そのうちにハッキネンとシューマッハがコース上に出てきて、ポールタイムの更新をしあう。自由席周辺にはテレビ・スクリーンがないので、何秒刻んだか場内放送だけではなかなか想像がつかなかった。が、ポールが入れ替わる度に、まわりで拍手が起こった。チャンピオン争いをしている2人だけは、抜きん出て速くスプーンを通過していったような気がした。

 アウトラップ(first lap out of pit)&インラップとタイムアタック中は、生の姿や生音を聞いているとすぐにわかる。プッシュしているとブレーキングは最低限でシャープでカーボンが擦れてキュルキュルという音を出し、スロットルを再び全開にするのを待ち遠しいドライバーの気持ちが伝わってくる感じ。プッシュしていなければアクセルを戻したときに、タンが絡んだように(汚いけど音のイメージはどうしてもそういう感じ)ゴロゴロ、ズルズルという音がする。

 ここ数年、ずっとミハエル・シューマッハがポールだが、決勝は勝てていない。是非、そのジンクスを破って、ワールドチャンピオンになって欲しい。フェラーリのシャツを着て、筆者がスタンドから見守っているから・・・。

決勝

 ミハエル・シューマッハがワールドチャンピオンに輝いた。しかも目の前で。97年にF1を見始めて以来ずっとファンであったわけではないが、自分の応援しているドライバー以外で必ず注目してきた。オオモノと呼ばれてきた人が、再び開花した、自分のことのようにうれしい。

 決勝の午前中は、フリー走行の時からスプーンカーブにいた。そうでないと、予選の時も陣取っていた場所を他の人に取られてしまうから。マシンの挙動が今までのフリー走行や予選の時と違って、ほんの気持ちもたつく感じに変わっていた。

 フリー走行のあと、前座のフォーミュラ・ドリームやシビックレース、ドライバーズパレード、ホンダのF1参戦200戦記念パレードがあって、そのあとやっと決勝。この日は金曜日・土曜日と違って冷え込んだので、待ち時間がとてもキツかった。

 決勝の前にピットからのアウトラップで、グリッドにつくのに1周だけするのかと思ったら、BARのゾンタは3周くらい、ミハエル・シューマッハは2周した。グリッドについてから、フォーメーションラップが始まるまでがこれまた、長かった。

 待ち時間の間に体はすっかり冷えたので、温かいものでも食べようかと最寄りの売店に走ったが、長蛇の列ができていてフォーメーションラップにも間に合わなそうだったので、あきらめた。

 決勝直前、雨が少し落ちてきた。雨具なしで観戦していたが、そうひどく気になるほどは降らなかった。この雨も、決勝の結果を左右するのだろうなと思った。(決勝後、駐車場に戻ったときに大雨になった) 朝、宿泊していた車の中で目を覚ましたとき、明るくなかった。もう一日中どんよりしていた。いつ雨が降ってきてもおかしくなかったのだ。

 スタート直後、ハッキネンがトップに出たというアナウンスとともに、筆者はちょっと肩を落とした。また、1998年から続いているジンクスに飲み込まれたと思った。スプーンで見ていると、ミハエルとミカの差が少しずつ開いていくのがわかった。

 筆者が密かに期待していた、予選結果が良かったウィリアムズのジェンソン・バトンもスタート失敗で順位を下げてしまう。さらに、ミハエル以下もどんどん開いていった。3位のクルサードと4位のバリチェロの間もぐんぐん開いていく。そしてミナルディのガストン・マッツァカーネも一人だけものすごく遅れを取っていく。

 トップのハッキネンが周回遅れを作り始めると、レース展開が読めなくなる。場内放送の順位を頭の中で整理しようとするのに、目の前を通過するマシンの順番と照らし合わせているうちに、頭の中がごちゃごちゃになってくるのだ。

 自分の見ているコーナーで、誰かコースアウトしないかなと思っていたら、ブルツがしてくれた(1998年は応援していたのになんてことを)。グラベルに突っ込むと、カラッカラッとマシンの底板と砂利が擦れる音がする。そんなの、F1中継の放送で聞こえた試しがない。お昼頃のシビックレースでコースアウトしたシビックの1台は、グラベルに埋まって白煙をあげるというハプニングがあったが、さすがはF1。順位を下げただけで、まあ無事にコース復帰を果たした。

 レースの終盤は、小雨の影響でコースが濡れ始め、少し水しぶきが当たり始めた。しかし、ピットインしてドライタイヤに履き替えるほどでもなく、ドライタイヤのままどのマシンも走った。こうなると、ピットインのタイミングでハッキネンを逆転しトップに躍り出たミハエルの優勝が見えてきた。

 ウィニングランの時、ミハエルがコクピット内で手をぐるぐる動かして喜んでいるのを家に帰ってビデオで見て知ったが、スプーンから見たところそうしているのはわからなかった。まあ、それにしても、F1の大舞台を肌で感じられて良かった。あとは、フェラーリが最終戦でコンストラクターズチャンピオンを取ることを期待するのみっ!

成績やレースの経過など詳しくは、F1 TodayDaily F1へ。

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