Formula 1 : GP DiaryUpdated on May 14th, 2001.

第6戦 オーストリアGP

予選

 マクラーレン勢が、苦しんだ。ハイノーズになったMP4/16は、MP4/13-15のローノーズマシンに比べて、セットアップがしにくいのかなと思う。今のマシンの、セットアップのスイートスポットが針の穴くらいしかない。去年まではそういうことがなかったと思うのだが。一昨年くらいまでフェラーリマシンもそうだった。

 ウィリアムズ勢がスペインと打って変わって絶好調。FW23は、ハイダウンフォースのサーキット向きなのかな。ま、ミシュランの柔らかいタイヤがいいということもあるだろうし。

 各チームいろいろ手こずるものの、ミハエルはやっぱりポール。今シーズン、予選でのミハエルの走りには毎回一発の速さがあるってことなんだろうな。

決勝

 F1グランプリを観戦する面白みは、オーバーテイクシーンやブロッキングによるドライバー同士の駆け引きと、レース中に起こるトラブルによって生み出される。今回のGPでも、あらゆる面白みの要素が見られた。

 まず、スタート。ハッキネン(マクラーレン)とジョーダン勢、フィジケラ(ベネトン)がスタートできなかった。また、トップのミハエル・シューマッハは、弟ラルフとモントーヤ(ウィリアムズ勢)に抜かれ、3番手に後退。その後方では、フェルスタッペン(アロウズ)がクルサード(マクラーレン)を交わす珍しい場面が見られた。ピットストップの回数の違いによって、燃料の積載量が違ってこういうことが起きたらしい。しかも、フェルスタッペンはフェラーリマシンにちゃんとついていくところが、いつものレースと違ってワクワクさせられた。

 やがてラルフのマシンがスローダウンする。モントーヤは関係なくトップをキープしたまましばらく走り続けた。モントーヤの力強い走りに、筆者は“もう初優勝か?”と思っているうちに、モントーヤのマシンのミシュランタイヤがタレ始めた。ペースが落ち始めたモントーヤの背後にミハエルが迫って、A1リンク唯一のオーバーテイクポイント第2(レムス)コーナーで軽く接触、コースアウト。モントーヤが無理にブレーキングを遅らせた結果、こうなった。レース後の記者会見でミハエルは、“心中する気かと思った”と怒りをあらわにしていたが、今までもミハエルはヒルやビルヌーブ、クルサードにやってきたんだろうに、人のことを言えないのでは? もちろん筆者の目から見ても、モントーヤのブレーキングは遅すぎたし、ミハエルのマシンが多少モントーヤのマシンよりも前に出ていた。でも、ミハエルにびくともしないモントーヤの精神こそ、次期チャンピオンを予感させるものだと思う。

 ただここでミハエルのフォローをしておくと、ミハエルに経験があったからこそ、お互いのマシンにダメージが出ない程度の接触にとどまった。ミハエルのよけるうまさは、拍手もんだ。

 レースの中盤から後半は、バリチェロがレースを引っ張った。これでバリチェロは優勝モードかと思っていたら、ピット作業とバックマーカーの処理に手こずって、クルサードに逆転される。そして、ファイナルラップの最終コーナーで、バリチェロがミハエルに順位を譲るようチームオーダーが出てしまう。もし、1位がバリチェロで2位がクルサードだったら、フェラーリはチームオーダーなど出さなかっただろうに。たぶんそういう意味のことを、レース後の記者会見でバリチェロは言っていたんだろう。バリチェロの契約は、ミハエルと同等だと言われていたのにこのチームオーダーで、そうではないことが世に公表された。これでバリチェロは来年以降のフェラーリとの契約をしたくなくなったんだろうな。

 筆者はこのフェラーリのチームオーダーに関する一件で、バリチェロに同情し、今年ミハエルを応援するのをやめることにする。次戦モナコから、がんばれウィリアムズのモントーヤ!!

成績やレースの経過など詳しくは、Daily F1へ。

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