ミハエルのクラッシュは何じゃ、ありゃ? “子供を作ると遅く走るようになる”というエンツォ・フェラーリの言葉が、“子供を作ると集中力が切れやすくなる”と代わって聞こえてくるぜ。
スタート直後から、波乱のレース。まず、プロストのトゥルーリがブレーキングミスで単独スピン。ザウバーのアレジの後輪をもぎ取り、スチュワートのバリチェロの横っ腹に体当たりをかましてしまう。アレジは去年も同じコーナーで、トゥルーリにクラッシュされ0周回でレースを終えている。これで、因縁の関係が出来上がってしまったことだろう。現に、アレジはプロスト監督本人のところへ行って、何かを訴えていたようだ。ちょっとだけテレビに映った。
フェラーリは、予選で使ったニューエンジンは決勝では使わなかった。信頼性の確保が足りないからだろうか。もう生まれながらにして、十分な信頼性がありそうなものだが。
それにしても、クルサードのアーバインのオーバーテイクの強引さったらなかった。それに巻き込まれたアーバインの、8位から3位までの追い上げもすごかった。
最後にとても気にしていることがある。それは、フレンツェンの負傷の具合である。カメラはフレンツェンの自己の一部始終を捕らえていなかったが、かなり強い衝撃を受けたようであった。ジョーダンマシンの右半分がなくなってしまったほどなのだから。アイルトン・セナのクラッシュがまた、頭のどこかをよぎった。まさか、解説者の中野信治(ジョーダンテストドライバー)が“スポット参戦できるチャンス”なんて考えていないだろうなぁ。