Journey to the Bonin Islands.Updated on Oct. 4th, 2001.

[1日目:出発、2日目:父島上陸][3日目:台風接近、4日目:島内観光][5日目:島内観光][6日目:パパヤツアー][7日目:きりまるツアー][8日目:最終日、リンク集]

7日目


宿からの朝の景色
この日も7:30に起床。前夜に早く寝たので、寝過ぎの感じさえあった。窓の外を見ると、小笠原に来て初めてのすっきり晴れた朝だった。

顔を洗って、テレビを見ながら朝食を摂ろうと思いながらテレビをつけると、アメリカ同時多発テロの特番が放送されていた。ワールド・トレード・センターに飛行機が突っ込むシーンが、繰り返し放映されていた。作り話だとしか思えなかった。

朝食を終えて、2日前の夜に夕食を食べた悠悠へ、予約しておいたおにぎりを取りに行く。これが今日の昼食だ。


きりまるII


借りた3点セット


イルカ形の窓がかわいい


きりまる後方

この日乗ったクルーザーはきりまる(料金8,000円<3点セット無料貸し出し>)。初日に漁港を散歩していた時にきりまるが停舶していたのを見て知っていたが、奇抜なピンク色だ。船長さんは小笠原育ちの(たぶんアメリカ人)南スタンリーさん。南島の鮫池に、クルーザーごと入れるという。さらに、船体の中央はグラスボトムになっており、海中の様子が船の上から見ることができる。

ウミヘビの餌付けショーも見ることができるのが、きりまるのウリだ。きりまるは、聟島へ行ったり、母島へ行ったりと、毎日のように違うツアーを実施している。2ヶ月分くらいの予定があらかじめ決まっているらしく、筆者が泊まっていた宿にきりまるの資料ファイルが1冊置いてあった。


筆者のお気に入りショット


筆者の10メートルくらい下
を泳ぐイルカたち




手前の上の方に人がいて
イルカが深いところへ潜ろうとしている


小笠原についての調べ物をしているときに、“イルカの船の乗り比べ”というページで、きりまるの船長さんはイルカを見つけるのがうまいという。それは本当だった。9:00頃に青灯台を出発して、30分後にはドルフィンスイムをしていたくらいだ。イルカに対するクルーザーのアプローチもうまかった。きりまるの後方から海に飛び込むと、すぐそこにイルカがいた。筆者は前日の半ズボン形の水着に替えて、いつもプールで泳ぐときに身につけている競泳用の水着を着用していたので、前日よりすいすい泳げた。

前日に海に出た船は少なく、パパヤともう一隻くらいだったようだ。だがこの日は久しぶりに晴れ、外洋の波が静まったのでたくさんの船が出ていた。きりまる船長がいち早く見つけたバンドウイルカたちに他の船がたくさん寄ってきてしまったので、午後もイルカに逢えることを期待してその場を後にし、南島へ向かった。


波を見極めるために一時停止


エンジン全開で鮫池入り口へ


岩場ギリギリを通る


鮫池突入成功!

外洋の波はそれほど高くないが、南島の鮫池入り口は相変わらず高い。平常時からそうらしい。きりまるはこの狭い鮫池入り口が通れるように、水中に沈む部分の深さが60cmに設計されているそうだ(重心が変わりやすいので、場所を移動するときに船のバランスを少し考えて行動するように最初に言われた)。そういう設計であるとはいえ、やはり余裕はない。鮫池突入は、きりまるに乗ったときに1つのアトラクションといえる。一度静止して、波の様子をうかがって、エンジン全開でいざ突入。船長曰く、夜真っ暗でも波の音だけを頼りに鮫池突入できるという。


船から直接南島上陸


岩場にカニを発見


南島の特徴的な石灰岩


この目印の1メートル以内を
歩かねばならない


台風の雨で赤土が少し露出


タコの木が野生の草に
埋もれている

鮫池の一番奥にサメが集まる


群れるネムリブカ(陸上から)


群れるネムリブカ(水中から)


きりまるが停舶中の鮫池


鮫池の右の方
丘をはさんで扇池


扇池のさらに右に
淡水の池がある

南島から見える父島のパノラマ写真


筆者と扇池


扇池で泳ぐ人たち


カツオドリは南島に
巣を作っている

前日にも来た南島に再び上陸。今度はちゃんとハンディカムを手に、降り立った。前日何も撮れなかった分、何でもかんでも撮影することに務めた。結果、上のようなたくさんのきれいな、珍しい映像をおさめることができた。

2日連続で「ネムリブカは大人しいサメだ」と聞くと、思い切って近づいてみたくなった。そうしたら、説明を受けたとおり逃げられた。前日に1匹しか撮れなかったネムリブカを、たくさん群れているところを撮影することに成功した。

鮫池の後、扇池で泳いでみた。扇池の底は白い砂だけかと思ったら、岩盤があった。波に押されるし、岩盤がすぐそこにあるので、ちょっと泳ぎにくかった。水の出入りが激しいせいか、魚はあまり見られなかった。


接岸したきりまるから
タマナビーチにはしごで上陸


タマナビーチの砂は鶯色


筆者の昼食
(悠悠のおにぎり)


タマナビーチ付近の
兄島海中公園

11:30過ぎに南島を後にし、イルカを探しながら兄島海中公園のタマナビーチをめざす。前日のツアーになかった、兄島上陸に筆者ちょっとわくわくした。

タマナビーチの砂は、鶯色をしている。他ではあまり見られない美しいものだ。昼食を終えて、兄島海中公園で泳いでみた。浜から15mくらいで岩場になり、いきなり深くなっている。深浅が激しい。珊瑚もたくさん生えているし、きれいな魚もたくさんいた。やはりこの日も、水が冷たく感じた。しばらくすると体が音を上げてしまうので、浜に上がって日光浴。暖まったところで、もう一度海中公園で泳いだ。


海中公園のサンゴ


エンジン音を聞きつけて
集まる魚たち


女性スタッフがウミヘビの
餌の魚をかごの中に用意


きりまる船長が針金をひいて
餌のかごを移動

餌を投入するとイスズミ
(黒い魚)がたくさん集まる
黄色いのは突然変異


かごに接近した2匹の大きな魚は
ホラフキダイ
左がメス、右がオス


このショーの主人公
ゴイシウミヘビ


写真右上の方に写る
アオブダイ

再びきりまるに乗って、少し西の方へ移動する。グラスボトムをのぞき込むと、サンゴや魚を見ることができる。船を止めるて(おそらく前日にパパヤで来たあたり)ブイに縄を掛け、海流に流されないようにする。餌付けをする前から、魚(とくにイスズミ)が集まってくる。これは、エンジン音を聞きつけて来るのだという。台風後初のきりまるツアーなので、魚たちがお腹を空かしているという。

いよいよ、ウミヘビの餌付けショー。きりまるのスタッフの方が餌(アジだったかな?)の魚をかごに入れて、海の中に投入。そのかごに針金がついていて、船長がかごの位置を操作して、船底のガラスのところにもってくる。島の魚がたくさん集まってきた。そして程なく、ウミヘビがやってくる。船長自ら、魚の種類を説明してくれた(それをビデオ撮影していたのでここに名前を掲載できた)。餌付けショーを海中から見ることもできたが、この辺は冷たいということを知っていたので、これからできるであろうドルフィンスイムに向けて体力温存をするためやめておいた。夜の餌付けもすることがあるそうで、その時は凶暴なサメがグラスボトムに体当たりするそうだ。グラスは厚さ2cmなので、強度は大丈夫だとのこと。

きりまるは、船長の特注だと自慢していた。前述の船底が浅いのに加えて、大型クルーザーにしては大きいグラスボトム、メインエンジンがプロペラを使わないジェット式である(サブはプロペラ式)。


父島北の方の海
兄島海中公園を後にして、弟島や西島あたりを航行し、イルカを探して回った。何故かこの日、小笠原の上空を飛行機が飛んでいた(テロの影響? 小笠原周辺は飛行機の航路になっていないはず)のを見かけた。1時間半イルカを探していたが、結局見つからず。そのまま二見港へと帰った。もう一度くらいイルカと逢えると期待していたのに、逢えなかった。「人間は大自然の気まぐれに逆らえないんだな」と思った。

きりまるを下りて、大村海岸でボーッと考え事をした。手元の使い捨て水中カメラのフィルムが4、5枚残っていた。どうにか使い切りたい。そのために、もう一度イルカに逢いたいという気持ちがわいてきた。翌日はおがさわら丸に乗って帰る日だが、クルーザーによっては半日ツアーをやるはず。サザンクロスというドルフィンスイムを行っているクルーザーの事務所に電話したら、「明日はやりません」とのこと。



勘佐


島魚寿司


夜の湾岸通り
17:00過ぎに宿に帰る。荷物を置いて、ボニンコーヒーを探しに出る。宿の主人に聞いてみたら、「ササモト釣具店というところにある」という。言われた通り行くと、「今年のボニンコーヒーは大好評につき売り切れました」とのこと。あえなく、コーヒー入手を断念。

その足で夕食を食べに、勘佐へ。島魚寿司とお吸い物をいただく。筆者は最初、島寿司・島魚寿司どちらにするか迷った。島寿司は、サワラのづけをにぎったものなのだそう。島魚寿司は、マグロとムロアジのにぎりだった。

勘佐を出て、大村海岸へ。また星空を見上げる。

また悠悠へ。今度はおが丸の中で食べるお弁当の予約をした。この日のおにぎりが、おいしかったから。

飲食店以外の商店は18:00に閉まっているので、湾岸通りはもう静か。小笠原最後の夜。

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